2009 年 6 月 14 日 のアーカイブ

小山佳奈 09年6月14日放送

kyoto

湯川秀樹


いじわるな人のことを
京都の人は「いけず」という。

日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹。
京極小、京都一中、京大と根っから京都育ちの彼は、
科学者としての心得を聞かれて
こう答えた。

 科学者というものは、
 女の足の指を舐るようなところがなくては
 あかんのです


戸惑う相手に、
ほくそ笑む湯川。

なるほど彼は科学者の前に
「いけず」な京都人だった。





pisa

ボナンノ・ピサーノ


彼は焦っていた。
「大聖堂建築」という、
国家プロジェクトを担った矢先。
あろうことか、建物が傾き始めた。

欠陥工事の建築家。
世紀を超えた汚名を残すところ。

しかし彼には運があった。

その後の学者たちが
それぞれの時代のありったけの科学で傾いた塔を支え、
今では立派な世界遺産、
「ピサの斜塔」となった。

ボナンノ・ピサーノ。

歴史上もっとも、
幸運な建築家である。




hideyo

野口英世


偉大なる医学者、野口英世。
彼は、偉大なる借金王でもあった。

田舎から留学費だと
金を借りては毎夜の放蕩。
死後80年がたった今でも
未払いの督促状が舞い込むという。

彼はいま、
お金を貸してくれた人たちへ頭を下げに
日本中を飛び回っている。

1000円札になって。

ほら、
あなたのお財布にも
折り曲がった野口英世が。




citynewyork

ロバート・メープルソープ


 自分の名声を見届けるまでは死ねない。

ニューヨークのロングアイランドで生まれた
ロバート・メープルソープは、
カメラを右手に、野心を左手に、
70年代のアートシーンを
一気に駆け上った。

パトロンの金と人脈は
惜しみなく使う。
有名になりたくて何が悪い。

メープルソープの写真は、
だから今でも、
残酷で完璧だ。




degas

パティ・スミス


例えばある女の子に
憧れの人がいたとする。
愛人でもいいからその人に近づきたい、
匂いを嗅ぎたい。

パンクロックの女王、
パティ・スミス。

彼女は元々グルーピー。
ストーンズにあこがれ、
ボブ・ディランに恋をし、
ジミヘンを愛した。

そして、
少女は憧れの世界に愛され、
自ら憧れの人となった。

女の子って、
時々そういう生き物。




maruyama

丸山薫


梅雨。

空にのしかかる雨雲が
あなたの顔をそんなにもくもらせるなら
丸山薫の詩を読もう。

 汽車に乗って 
 あいるらんどのやうな田舎へ行かう


彼がアイルランドを訪れたことは
一度もない。

想像力だけで出来た言葉は、
新たな想像力を無限に呼べる。

 日が照りながら雨のふる
 あいるらんどのやうな田舎へ行かう




color

ディック・ブルーナ


赤、青、黄、緑、茶、グレー。
たった6色と単純な線で出来たうさぎが、
今日も世界中の子どもたちを虜にする。

ミッフィーを50年描き続ける
ディック・ブルーナは、
今でも1枚のミッフィーを描くのに
100枚のミッフィーを描くという。

単純が一番、難しい。

恋も人生もなんだって、
複雑にしたがるのが
人間だから。




lamo

中島らも


中島らもは、言う。

 僕は、楽園だなんて話は信じない。
 そこに好きな人たちがいるところ、
 守るべき人がいてくれるところ、
 戦う相手のいるところ。
 それが楽園なのだと思う。


つまり、
たいていの人にとって、
いま必死で生きているこの場所こそが、
楽園なのだ。

さぁ、明日からまたがんばろう。
おやすみなさい。

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