2009 年 6 月 のアーカイブ

前田知巳さんインタビュー

J-waveの日曜日の番組で流れていた森ビルのCM、
前田知巳さんのインタビューです。
放送は終わってしまいましたがyoutubeに残っていました。

今月は作家の原田マハさんが登場しています。
http://www.mori.co.jp/hillscast/index.html

topへ

名雪祐平 09年6月7日放送

the_pleasure_garden_1925_alfred_hitchcock_intertitles


ヒッチコック

サスペンス映画の神様
といえば、ヒッチコック。

数々の傑作があるのに、
なぜ、アカデミー監督賞を受賞しないのですか?
そんな質問には、こう返した。

 私は、人を殺しすぎた

ありがとう、ヒッチコック。
いっぱい殺してくれて。

おかげで、
いまでも世界中が
あなたの映画を楽しむことができる。

000125_m


ジャック・マイヨール

母親の胎内で、人はみな、水棲動物だった。

生まれてからも、水棲動物だった男、
ジャック・マイヨール。

フリーダイビングで呼吸を止めたまま、
水中106mまで潜ったのは、彼が55歳の時だった。
その奥義は?

 何も考えない

それが、日本で禅を学んだ
彼の生きる術のはずだった。
けれど、やがて74歳の時、自宅の居間で首を吊る。

考えてしまうから、人は、死を選んでしまう。

海にいるより、
この陸にいると、考えすぎてしまうから。

xmas0003


ジェーン・バーキン

エルメスの高級バッグの名前にもなった女優、
ジェーン・バーキン

あるインタビューで、
スランプになったらどうしていましたか?
と聞かれ、こんな言葉で応えた。

 そういうときは、子どもを産んだわ

生き方が、ユニークでなければ、
バッグに名前がつく資格はないのかもしれない。
外見の美しさだけでは、きっと、役不足。

さて、男性のみなさん、
スランプになったらどうしますか?
どうぞ、ユニークに。

000191_m


8代目桂文楽

定年。
それは、誰かが決めているルール。
でも、自分で決めなければいけない、としたら。

それは、孤独な決心。
完璧主義者なら、なおさら。
いつか、自分を許せない時はやってくる。

噺家、8代目桂文楽のその時。
国立劇場で演じ始めたが、
決定的な場面で、台詞を忘れ、絶句。

 申し訳ございせん。
 もう一度勉強し直してまいります

観客に土下座し、その後、二度と高座に上ることはなかった。

四ヶ月後、血を吐いて亡くなった。
79歳の名人の壮絶な最期だった。

002231_m


ジョルジュ・ドン

人類は、
どれだけ美しく踊ることができるのか。

彼を観たら、彼が答だ。

史上最も優れたバレエダンサーの一人、
ジョルジュ・ドン

映画『愛と哀しみとボレロ』で魅せた
圧倒的なオーラは、
世界中の人々を痺れさせた。

あなたにとって踊りとは何ですか?

 もっと遠くへ行く手段です

その言葉を噛みしめて、
もう一度、あの踊りを目撃してみたい。

799px-estadio_atahualpa_7


高野進と妻

バルセロナオリンピック、
陸上男子400m走決勝。
高野進は、日本人として60 年ぶりに
そこまで進んだ。

だが、結果は8位。
くやしい。納得がいかない。
体の疲労も限界だった。

スタンドにいた妻は、
コメントを求める記者に、こう言った。
 
 ほんとうにこれで十分。
 十何年も走ってきたのですから、
 私が金メダルをあげます。

それを伝え聞いた高野は、
「女房にも同じくらい苦労をかけ続けだった」
と、その日初めての涙を見せたのだった。 

733px-girlie_bike_rack_44_jeh


マドンナ

いつでも、いつの時代も、
人は、誰かのサクセスストーリーに
飢えている。

ミシガン州から長距離バスに乗った
18歳の女の子のポケットには、
わずか35ドルしかなかった。

ニューヨークに到着し、
イエロー・キャブの運転手に、こう告げた。
 
 この街の真ん中に行ってちょうだい!

着いたのは、タイムズスクエア。
いや、そこは、
やがて80年代の寵児となるマドンナが降り立った、
スーパースターへのハイウェイだった。

blursky_l


原民喜(はらたみき)

2009年4月5日 
オバマ大統領「核廃絶」実現へ向け、演説。

2009年5月25日 
北朝鮮、地下核実験を実行。

そんな、いま。

ヒロシマ出身の詩人・原民喜が
1950年に発表した、この詩に耳を澄ます。

 コレガ人間ナノデス

 原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ

 肉体ガ恐ロシク膨脹シ

 男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘル

 オオ ソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ

 爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ

 「助ケテ下サイ」

 ト カ細イ 静カナ言葉

 コレガ コレガ人間ナノデス

 人間ノ顔ナノデス

topへ

ストラディバリ

800px-stradivarius_violin_palacio_real_madrid

アントニオ・ストラディバリ(Antonio Stradivari)
が制作したバイオリンは1200梃。
およそ半分が現存しているといわれる。
ストラディバリのバイオリンには
Antonius Stradivarius Cremonensis Faciebat Anno
という銘があるためにストラディバリウスと呼ばれる。

ストラディバリウスのバイオリンのなかで最上のものは3梃ある。
そのひとつはメサイアと名付けられ
いまはオックスフォードのアシュモリアン美術館に展示されている。
アラードと呼ばれるものは個人のコレクターが所有している。
ドルフィンは日本音楽財団が所有しており
これは日本のあるバイオリニストに貸与されている。

日本音楽財団はバイオリンだけでも
16梃を所有しており
内外のバイオリニストに無償貸与している。

topへ

佐藤延夫 09年6月6日放送

stradshp


アントニオ・ストラディヴァリ                

いつからか私たちは、
呼吸するかのように電気を使い
携帯電話に縛られ、
パソコンに囲まれ、
毎日を生きている。

だからこそ、この音色を耳にすると
無類の喜びを感じるのでしょうか。

アントニオ・ストラディヴァリ。
彼の手掛けた数々の楽器は
今もなお音楽の世界を支配しています。

そうか。
21世紀になっても
私たちは、ルネサンス時代の技術を超えられないんだ。

そう思うと、なんだか痛快ではありせんか?

今日、6月6日は、楽器の日です。

mananddog3


ジャクリーヌ・デュ・プレ                  

ジャクリーヌ・デュ・プレ。

天才と呼ばれたチェリストは
わずか42歳で、その生涯に幕を下ろしました。

彼女が亡くなった翌年、
透き通るような白い花を咲かせるバラに
こんな名前が付けられています。

ジャクリーヌ・デュ・プレ。

伝説になり、花にもなった、チェリスト。

今日、6月6日は、楽器の日です。
習い事は6歳6ヶ月の6月6日から始めると上達する。
そんな言い伝えがあります。

ジャクリーヌが音楽の道を志したのは、
ラジオでチェロの演奏を聴いたとき。

まだ4歳でした。

000254_m


ジネット・ヌヴー                   

情熱を音に変えるヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴー。
ある人は、彼女の演奏を聴いて、こんな言葉を残しています。

ジネットは、聴く者を催眠にかける。
   だから聴衆たちは思わず信じてしまうのです。
    この曲にはこの解釈しかあり得ない、と 

それもそのはず、まだ10歳のころ
ジネットは、ヴァイオリンの先生に言いました。

わたしは、自分が感じたようにしか、弾けません

今日、6月6日は、楽器の日。

たまには、思うまま楽器を演奏してみませんか。
ジネットのように、自由に。

000196_m


ディヌ・リパッティ                      

誰かが、彼のことを、地上の天使だと言いました。

どこまでも透明で、
繊細で、完璧なメロディ。

ルーマニアが生んだピアニスト、ディヌ・リパッティの演奏です。

優れた曲に対しては、尊敬ではなく、愛しなさい

そんな言葉を残し、33歳の若さでこの世を去りました。

今日、6月6日は、楽器の日。

しばらく、この音色に身を任せましょうか。
彼の紡ぎ出す愛を感じながら。

800px-metronome_1


マルセル・モイーズ     

水曜日にコンサートが終わると、
車を飛ばし、木曜日の朝には580キロ離れたジュネーブへ。
その日の午後は生徒たちのレッスンに費やし、
夜になればまたパリに向かう。
金曜日、朝9時のリハーサルに辛うじて間に合う。

フルートの巨匠と言われる
マルセル・モイーズは、教育にも情熱的でした。

いや、独創的と言うべきでしょうか。

この言葉を聞けば、彼がいかに魅力溢れる指導者だったか、わかります。

メトロノームを、朝食のメニューに加えなさい

今日、6月6日は、楽器の日です。

sunset-5


ジョージ・ルイス                      

クラリネットは、歌うものだったんだ。

ジョージ・ルイスの演奏を聴くと、そう思えてきます。

1963年に初来日。
本場のニューオリンズ・ジャズが、日本人を熱狂させました。

のちに彼は、若いミュージシャンに、こんな言葉を残しています。

Keep playing. とにかく演奏し続けることさ

今日、6月6日は、楽器の日。

もしも、むかし諦めた楽器がそばにあったら、
もう一度、触ってみませんか?

000021_m


アマティの行方                       

コントラバス奏者で、のちに指揮者になったセルゲイ・クーセヴィツキー。

どこのオーケストラにも属さない、
コントラバスのソリスト、ゲーリー・カー。

64歳も離れた
このふたりを結びつけたのは、
コントラバスの名器、アマティでした。

ある日、ゲーリーの演奏に感動したセルゲイの未亡人は、
亡き夫のアマティを譲ります。
第一線から退くまで、ゲーリーは、その名器だけを使い続けました。

今日、6月6日は、楽器の日。

名人に愛された楽器は、愛すべき者に渡り、また愛されていく。

topへ


login