渋谷三紀 13年3月30日放送


Destructive Compliments
チームワーク1 作家と編集者(高橋一生)

文藝春秋社で38年間、
名だたる文芸雑誌の編集者をつとめた高橋一生さん。

ある作家に雑誌への執筆を頼んだときのこと。
その雑誌の最新号を送るようにと言われ、
すぐに送ったところ、無事に承諾を得る。

何が決め手だったかという尋ねる高橋に、作家はこう答えた。

「新人の小説」を読んだ。
著名でない新人の作品は、
編集者が納得いくまで書き直しを求めるはずだ。
それを見れば、編集部の求める水準がわかる。

文学の世界では、助産婦に例えられる、編集者。
最高の文学を生み出すために。
優れた編集者は優れた作家を求め、
優れた作家もまた優れた編集者を求める。
出会いもまた才能のひとつ。

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