大友美有紀 15年5月3日放送

150503-05
Vintage Japan-esque
「少女まんがの世界」小島康宏(こじまやすひろ)

タカラがリカちゃん人形の開発に着手した当時、
ファッションドールの市場競争は激化していた。
タカラは後発である。
初代開発担当の小島たちは、どんな人形にするか、必死になって考えていた。
りぼん、マーガレット、なかよしなどの少女まんが雑誌を端から読んだ。
ストーリーは、どれもお涙頂戴物。ヒロインは家が貧乏だったり、
父親が不慮の事故で死んでしまったり。
まんがを読んでいる女の子たちが身近に感じてくれる人形がいい。
日本の女の子たちが迷わず友達にしてくれるような人形。
少女まんがを眺めていると、そこには女の子たちが触れている空気、
少女特有の感慨や好奇心であふれていた。
この世界を立体化したらどうだろう、という考えが沸いてきた。

一番はじめのリーフレットに記載された
リカちゃんのプロフィールにもその世界観が生きている。

 お父さん、フランス人。お母さん、日本人。
 リカちゃん、とてもやさしい。好きなこと、絵がじょうず。
 べんきょう、あまりできない。
 悩み、フランスにわたった父がわからない。

少女たちが大好きなものを形にする。
こんな当たり前のことが、当時のファッションドール業界では
独創的で新しい発想だった。

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