宮田知明 13年4月27日放送


@Doug88888
休むこと 槇原敬之

明日は月曜日
会社をズル休みして
すいたコーヒーショップで
おなかいっぱい食べよう
煙草をとり出して
ぼんやりしているうちに
ウエイトレスがカップと
気持ちまで全部片付けて行く

槇原敬之の「ズル休み」の一節。

恋人と別れ、
気持ちの整理ができずにいる男性の、
日曜出勤から帰って来たときの
心の動きを描いている。

辛いことがあったり、落ち込んだり。
そんなときだって、休んでもいいんだ、
それは「ズル」でもなんでもない、
私たちに与えられた権利なんだ。

そう主張しているように聞こえる。

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宮田知明 13年4月27日放送


wanko
休むこと 水木しげる

寝なきゃダメ
疲れたら休まなきゃダメ
適当にやらないとね、
漫画家は死ぬよ。

漫画家・水木しげるの名言。

この「漫画家」という肩書を、
あなたの肩書に
置き変えてみてください。

やっぱり、寝なきゃダメだし、
疲れたら休んでください。
せっかくの、ゴールデンウィークですし。

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宮田知明 13年4月27日放送


kevincrumbs
休むこと イチロー

2009年、イチローは、
メジャー通算2,000本安打達成直前に、
左足ふくらはぎの違和感で
8試合を休んだ。

スポーツ選手の多くは、少々の違和感では
「大丈夫」だと思ってがんばってしまう。
その結果、大ケガにつながることがある。

イチローほどの選手であれば、
違和感を抱えながら
試合に出ていても、
ケガにはならなかったかもしれない。

しかし、イチローは、休むことを選んだ。
そして復帰した最初の試合では、
4打数2安打をマークし、
何事もなかったかのように
自分の役目を果たした。

ケガを回避する能力も、
スポーツ選手の才能の1つ。

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宮田知明 13年4月27日放送


thetaxhaven
休むこと 投資家

アベノミクス効果か、
右肩上がりで上昇をつづけている
日本の株式市場。

毎日、売り買いをしている
投資家たちの格言の中に、
「休むも相場」という言葉がある。

株式の投資は、
売るか、買うか、の2択ではなく、
わからないとき、自信がないときは、
休んで相場の展開を見守るべき、
というのが、この言葉の
言わんとするところ。

また、投資の格言には、
こんなものもある。

損して休むは上の上

損をしたときは、取り返そうと思うあまりに
冷静な判断を失い
さらに傷口を広げることが多い。
それよりは冷静にチャンスを待てと言っているのだ。

休むべきときに休むのも才能のひとつ。

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宮田知明 13年4月27日放送


ミルちょ
休むこと 野比のび太

一生懸命のんびりしよう。

これは、
マンガ・ドラえもんの、
何気ない、のび太の一言。

休みの日ですら
なかなかのんびりできない現代人へ、
「そんなにせかせか働かず、
もっと休もう、楽しく生きよう」
という、エールのようにも聞こえる。

しかし、この言葉、
前のセリフから読んでみると・・・

 ママが夜まで出掛けていると、
 心の底からのんびりできるんだ。
 いっしょうけんめいのんびりしよう。

やっぱり、のび太は、のび太。
難しいことなんか考えずに、
のびのびと、生きている。

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薄 景子 13年4月21日放送



出会いのはなし アルプスの少女ハイジより

「アルプスの少女ハイジ」の中で
夕焼けがなぜ美しいかをきかれたおじいさんは
こう答えた。

 人間であろうと、何であろうと、お別れする時が一番美しいんだ。
 いま、太陽がね、地球からお別れをしているから、
 こんなにも、人の心を打つんだよ。

別れの季節の美しさは、
新しい出会いを輝かせる。
この春、きっとあなたのまわりでも。

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小野麻利江 13年4月21日放送



出会いのはなし 梅原真とカツオ漁師

日本唯一の飛び地村でとれた、
「じゃばら」というみかんの果汁。
牛肉のかわりに海に豊富にあるさざえを入れた
「島じゃ常識 さざえカレー」。

日本各地で獲れたモノたちに、
まっすぐで、風圧の強いデザインを加える男がいる。
それが、デザイナーの梅原真(うめはらしん)。

そのきっかけは、
土佐のカツオの1本釣り漁師との出会い。
このままでは舟がつぶれる。
そう言う漁師の話を聞くうちに、

 カツオにデザインをかけあわせれば、
 きっと新しい価値が生まれる。

そう確信し、
商品化とパッケージを請け負った
「カツオのたたき」は、
やがて年商20億円の産業となった。

一次産業とデザインが出会えば、
日本の風景は残せる。
そう考える梅原は今日も、
日本各地に眠る資源たちとの、
出会いを重ねている。

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熊埜御堂 由香 13年4月21日放送



出会いのはなし  12代目市川團十郎と母千代

今年2月に亡くなった歌舞伎役者12代目市川團十郎。
彼の母、千代さんをモデルにした小説がある。
作家の宮尾登美子が1988年から新聞に連載した『きのね』。

「花の海老様」といわれた9代目海老蔵。
その正妻となった千代さんのあまりに地味な姿を
不思議に感じ、宮尾は小説化を思い立った。

小説では、使用人だった女性がトイレでひとり子を産みおとし
それがのちの12代目團十郎となる。
センセーショナルな内容で、
どこまでが実話なのかとつい気になるが
そんな邪推をふきとばすエピソードがある。

宮尾は、この作品を書くためにずいぶん取材をし、
12代目團十郎のへその緒を切った
当時90歳のお産婆さんにも話をきいた。
出産直後にかけつけると、千代さんは正座し、
横には座布団の上にきれいにぬぐわれた赤子がいたという。
その姿をみてこう思った。

 ああ、聖母子のようだ。

世に生をうけ、
子が母に抱かれる。
その出会いの奇跡が
未来をつくっていく。

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小野麻利江 13年4月21日放送


tomato umlaut
出会いのはなし ソニア・パークとお買い物

どうして人間って
買い物するのだろう?
スタイリストのソニア・パークは、
そう考えたことがあるそうだ。

少し考えて、彼女が出した答えはこうだ。

 そこにものがあるから。
 そして、それを買うことができるから。

みずからのショッピングフリークぶりを
「一向に治らない買い物癖」と称する
彼女ならではの答えである。

人とモノとの出会いの連続、ショッピング。
あなたはこの春、どんなものと出会いましたか?

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石橋涼子 13年4月21日放送



出会いのはなし ロダンと花子

66歳のオーギュスト・ロダンは、
マルセイユの博覧会で
花子という日本人女優に出会った。
彼女の苦しみや怒りの演技に衝撃を受け、
楽屋に押し掛けてモデルになるよう頼んだという。

一方の花子はというと、
日本で二度の結婚に失敗し、頼る家もお金もなく
34歳、単身死ぬ気で海を超えた。
必死に芝居を続けたある日、
有名な芸術家が自分を求めて現れたのだった。

多くの評論家が運命の出会いと語るこの瞬間、
彼女はこう思ったという。

 なんだか汚いじいさまだな。

思い出は見る角度によって違うけれど、
どんな出会いも限りない可能性を秘めている。

花子はモデルの依頼を引きうけ、
ロダンから家族同様に愛された。
ロダンは、毎日のように花子を招き、
58点もの作品をつくりつづけた。

この春、あなたにいい出会いがありますように。

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