川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

探査機カッシーニは、13年間にわたって
土星を周回し、多くの発見をした。
中でも驚かせたのは、衛星タイタンの地表に湖や海があり、
雨まで降っているのを発見したことだ。
さらに衛星エンケラドスの表面からは
熱い水蒸気が吹き出しているのを発見した。
それらは土星の衛星に生命が存在する可能性を示唆するものだった。

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川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

探査機カッシーニの最後のミッションはグランドフィナーレと呼ばれた。
土星の大気圏に突入し、大気のデータを集めながら自ら燃え尽きるというものである。
生命が存在するかもしれないタイタンやエンケラドスに
地球の微生物をもたらすことを防ぐためであった。
2017年9月15日、カッシーニは土星の空で流星となって消えた。
最後に送ってきた写真には、
上空の環と柔らかな光につつまれた土星の表面が写っている。

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川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

ガリレオやカッシーニの時代から、多くの天文学者が望遠鏡を手に、
宇宙の星を見つめてきた。
一番近くにあるのは地球の衛星、月である。
月面の中で暗く見える平原を「海」と名付けたのは彼らだ。
北半球のやや左に広がるのが「雨の海」。
東の岸に小さな笑窪のようなクレーターがある。
「カッシーニ」と名付けられたクレーターだ。
満月の夜、望遠鏡を持って探してみませんか。
地球はあと10日で満月です。

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大友美有紀 19年6月2日放送


m-louis
路地の話  路地の日

今日は6月2日。
日本記念日協会が認定した「路地の日」。
ろくは「ろ」、にが「じ」という語呂合わせだ。
長野県、下諏訪の「路地を歩く会」が制定した。
下諏訪は中山道と甲州街道の合流地。
かつては宿場町として栄え、
温泉宿も数多くある。
昔からの裏道や路地もたくさん存在する。
歴史や文化を感じる路地の風情を、
いつまでも残したいと
路地の日を制定したという。
路地を歩くツアーも開催する。

身近な路地を歩いてみたくなる日です。

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大友美有紀 19年6月2日放送


z tanuki
路地の話  路地を歩く会

今日は、6月2日。路地の日。
制定したのは、長野県、下諏訪の路地を歩く会。

下諏訪には「万治の石仏」がある。
諏訪大社下社春宮の大鳥居建立の命を受けた石工が、
この地にあった石にノミを入れると、血が流れ出た。
驚き恐れた石工は、その石を大鳥居に用いるのをやめ、
阿弥陀様を刻み、霊を納め石仏を彫ったとされている。
諏訪大社の御柱祭を見学した岡本太郎が、
この石仏におどろいて、それから頻繁に下諏訪を
訪れるようになったという。

下諏訪の路地を歩く会のツアーでは、
万治の石仏や、岡本太郎の定宿などゆかりの地を
巡ることもある。

諏訪湖や温泉だけではない下諏訪を
ちょっとのぞいてみたい気持ちになる。

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大友美有紀 19年6月2日放送


cozymax5454
路地の話  路地サミット

今日は6と2で、路地の日。
「全国路地サミット」という催しがある。

NPO法人 日本都市計画家協会の事業の一つで
今年で16回目。10月に青森県、八戸で開催する。
八戸は、青森県の南、太平洋に面した都市。
港があり、工業地帯でもあり、城下町でもある場所。
昭和の風情漂う路地も多く残っている。

なかでも「横丁」と呼ばれる飲み屋街が8つ。
辞書によると、路地とは「建物と建物との間の狭い道」
「門内や庭内の通路」とある。
横丁は「表通りから横へ入った道筋。また、その通り」。
英語では、どちらもalley。
路地の飲み屋、よりも、横丁の飲み屋、のほうが、
人気があるように感じる。
八戸の横丁は、花小路、みろく横丁、ロー丁(ろーちょう)れんさ街、
長横町れんさ街、八戸昭和通り、ハーモニカ横町、たぬき小路、五番街。

巡り歩くだけでも、良い気分になりそうだ。
全国横丁サミットも開催してほしい。

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大友美有紀 19年6月2日放送


OZAKIX
路地の話  神楽坂

今日は、6月2日。路地の日。

お洒落な町として人気の神楽坂は
その「町割」(まちわり)、つまり区画は
江戸時代からほとんど変わっていない。

メインの大通りから横丁に入り、
さらにその奥の路地を曲がっていくと、
徐々に人通りは少なくなり、喧騒も遠ざかる。

かつて神楽坂の大半は花柳界が占めていた。
料亭や割烹につながる路地は、
ただの通り道ではなく、
店へとつながるもてなしの空間だったともいう。

町がまるごと、大人のためのしつらえになっている。

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大友美有紀 19年6月2日放送


663highland
路地の話  迷路のまち

今日は、6月2日。6と2で路地の日。

瀬戸内海、小豆島。
二十四の瞳やオリーブで有名な島に、
昔から「迷路のまち」として
知られる場所がある。土庄本町。
海賊や海風から島民を守るために、
あえて路地を複雑に作った
と言われている。

三叉路が多く、細い路地は緩くカーブしている。
ここだと思った角を曲がっても
なんども同じ場所に出てしまう。
スマートフォンの地図を見ても迷う。
まるで妖怪に騙されているかのよう。
このまちには妖怪美術館もある。

路地を入ったら、二度と元には戻れない。
そんなスリルを味わうのもいい。

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大友美有紀 19年6月2日放送


きんちゃん
路地の話  三國湊

今日は、6月2日。6と2で路地の日。

福井の三國湊は、北前船の寄港地として栄えた場所。
江戸時代の風情を感じる町並みが残っている。
格子戸のある町家、廻船問屋の屋敷、土蔵、商家。
花街の面影を残す料理茶屋もある。
それでいて、町家を眺めながら歩いていると、
不意に高見順の生家の前に出たりする。
三好達治が通った元料亭に出くわしたりもする。

そして、湊町の通りを離れて、路地を抜けると、
現代的な住宅やタイル張りのビルが現れる。
どこにでもある、地方の町並みになる。
今が何時代なのか、軽く混乱してしまう。

観光地としては、そう有名ではない三国湊。
タイムスリップできる路地のある町だ。

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大友美有紀 19年6月2日放送


Asturio Cantabrio
路地の話  裏界線

今日は、今日は、6月2日。6と2で路地の日。

「裏界線(りかいせん)」という路地がある。
裏の界隈の線と書く。
おそらく世界でも長野県飯田市だけにある路地だ。

昭和22年「飯田の大火」と呼ばれる大火災で市街地は焼失した。
その復興の時、各家が裏口に面する土地を提供しあって、
境界線となる場所に路地を作ったのだ。

防災とインフラのための通路として作られた路地。
けれども散策してみると表通りとはまた違う「飯田」
を感じる路地にもなっている。

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