古居利康 12年10月14日放送



もうひとりのわたし ヘンリー・ジェイムス・ブラックの場合

ヘンリー・ジェイムス・ブラックは、
1858年、オーストラリアで生まれた。

父は、日本初の英字新聞
「ジャパン・ヘラルド」の記者だった。
ブラック少年は、7歳のとき、来日。

18歳で奇術師の弟子になり、
西洋奇術を演じるようになる。
その後、講釈師を経て、落語家になり、
「快楽亭ブラック」を襲名。

碧い眼に似合わぬべらんめえ調で
クマさん八ツァンを演じた。
その不思議な存在感は、
明治の寄席で異彩を放っていたという。

日本人女性と結婚して帰化。
本名を「石井貎刺屈(ぶらっく)」として、
いまは横浜の外人墓地に眠る。

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