大友美有紀 13年5月5日放送



「父と息子」北原白秋

北原白秋は、完璧な父だった。

 父はこのうえなく寛大だった。
 どんなときでも慈愛ぶかくあった。

そう書く長男、隆太郎は一度だけ
白秋に厳しく叱責された。
叔母が亡くなった時、あまりの悲しさに
追悼文が書けなかったのだ。
白秋は、自分はそんな理由で
義理を欠かしたことがないと叱った。

その夜、白秋は再び隆太郎を呼び、
母と妹、家族全員で
伯母の追悼録をつくろうと提案する。
厳しさと優しさの父だった。

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