三島邦彦 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

滋賀県の比良山(ひらさん)。
京都と若狭をむすぶこの山に、
「比良山荘(ひらさんそう)」という料理宿がある。

名物は「月鍋」。

雪と花の間の時期に食べることから、
雪月花の真ん中の月を取って名付けられたというこの鍋には、
比良山の猟師が仕留めた新鮮な熊の肉がたっぷりと入っている。

比良山荘の主人、伊藤剛治は
熊への思いをこう語る。

 僕自身、熊の味がとてもすきで、
 死ぬときになにを食べたいかいうたら、
 やっぱり熊やと思うんです。

山の精霊である熊を、猟師が命がけで仕留め、伊藤が魂をこめて料理する。
熊も、猟師も、伊藤も、同じ山で生まれ育った仲間たち。
だからこそ、伊藤が作る月鍋には純粋な、山の恵みの滋味がある。

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