小林慎一 16年7月17日放送

160717-08

スパイと数学篇

純粋数学は現実世界には応用するのは難しい分野だか
素数理論はそれができる数少ない領域である。

1977年マサチューセッツ工科大学の
ロナルド・リヴェストのチームは
暗号に関する画期的なアイデアを思いついた。

暗号用の鍵をつくる際に、素数を二つ用意し、
それを掛け合わせて大きな非素数にする。

通信文を暗号化するには、
この大きな非素数が分かっていればよい。
一方、暗号化された文を復元するするには
もとになった2つの素数を知らなければならない。

例えば、
589になる2つの素数を突き止めるのには
家庭用のパソコンで3分もかければ
素数が31と19であることが分かる。

だが、実用化されている非素数は100桁を超えるため
世界一性能のいいコンピューターを使っても数年かかる。

年に1度、暗号鍵を変更すれば、
敵のスパイはまた計算を最初からやり直さなければならない。

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