大友美有紀 13年5月5日放送


「父と息子」チェーホフ

「桜の園」の作者・チェーホフ。南ロシア生まれ。
その掌編は、知的階級の俗物性をえぐり、
大胆に笑いを加える。近代人の不毛と絶望を描く。

祖父は、農奴だった。
苦労して得た金で自由身分を買った。
父親は祖父の店を継いで、チェーホフの兄たちを
大学に行かせたところで、力尽きてしまった。

彼は奨学金で医大に進み、
在学中から雑誌に投稿し、家計を助けた。
医師になってからも執筆を続け、著名な作家となった。
その後は、流刑囚の待遇改善運動に取り組み、
小学校を3つも寄付した。
しかし自作の中では、主人公に体制下の
診療所や小学校に対する批判をさせる。

 民衆は大きな鎖でがんじがらめに縛られているのに、
 あなたは、その鎖を断ち切ろうとせず、
 新しい鎖の環を付け加えているにすぎない。


父と違う生き方を選ばされた自分。
努力の末、ブルジョワ階級となった自分。
自己を辛辣に見つめることが
父への愛だったのかもしれない。


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