2016 年 5 月 29 日 のアーカイブ

石橋涼子 16年5月29日放送

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zimbia
ペットのはなし 鯉の花子

鶴は千年、亀は万年と言われているが、
家庭で飼育しやすいミドリガメは
平均寿命が20年前後だと言われている。

そんな亀よりも長生きするペットが、鯉だ。
野生の鯉の平均寿命が20年以上と言われており、
飼育されるとさらに長生きできるという。
1983年のギネスブックに認定された
鯉の「花子」は推定226歳、江戸時代生まれだった。

雑食で、濁った水でも生きていけるタフさが
長生きの理由だと言われている。
鯉の滝登りというが、
急流を登り切って龍になるというのもうなずける。

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石橋涼子 16年5月29日放送

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ペットのはなし 歌川国芳の猫

浮世絵画家、歌川国芳は猫好きでも有名だった。
懐に猫を入れながら画を描く国芳のアトリエでは、
猫たちが弟子を押しのけ我が物顔でのさばっていたという。

そんな国芳の描く猫は、仕草が魅力的なうえ、
化け猫の着物が鈴や小判、めざしやタコなど
猫好みの柄になっていたりして、
画家のこだわりと愛情に満ちている。

若いころに苦労した国芳は、派閥に縛られることを嫌い、
自分の名前を襲名させることにも興味がなかった。
生前、弟子たちにはこう言いきかせていたという。

 万一、死後に国芳の名を継ぐものがあったら
 化けて出て食い殺すからそう思え

きさくで親分肌の彼が化けるとしたら、
きっとユーモアにあふれた化け猫だろう。

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小野麻利江 16年5月29日放送

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be_khe
ペットのはなし ジョージ・クルーニーのブタ

アメリカを代表する俳優、ジョージ・クルーニー。
実は彼は18年もの間、ペットとして「ブタ」を飼っていた。
そのブタの名は、マックス。
1988年、当時のガールフレンドへの
プレゼントだったが、すぐに破局。
ジョージが引き取り、ロサンゼルスのマンションで
飼い続けていたという。

ブタという生き物は、概して寂しがり屋とされる。
マックスもその例に漏れず、
毎晩ジョージと一緒に寝ていたという。
ガールフレンドがいる時も、間に割って入ってきたという噂だ。
もっとも最終的には100キロ以上に育ち、
一緒に寝るのはNGになってしまったそうだが。

ジョージはマックスのことを「マックス・ザ・スター」と呼び、
深い愛情を注いでいた。
1994年にロサンゼルスで大地震が起きた際も、
マックスのおかげで命を救われたと語っている。

「マックスが僕をつつき続けて、
 地震の3分前に起こしてくれたんだ。
 彼はとっても賢いんだよ!」

2006年、マックスは老衰でこの世を去り、
ジョージは深く悲しんだ。

「マックスが人生の大きな部分を占めていたことに、
 自分でも驚いているよ。
 マックスの代わりは、もうどこにもいないよ」

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熊埜御堂由香 16年5月29日放送

160424-04
nambon
ペットのはなし 夏目漱石の文鳥

夏目漱石がもっとも愛らしく描いた動物が猫だとしたら、
もっとも切なく描いた動物は文鳥だろう。

漱石の初恋の人と言われる幼なじみだった日根野れん。
彼女が嫁ぎ先で亡くなった10日後に
連載をはじめた小説が「文鳥」だ。
れんをモデルにしたと言われる女性と
飼っていた文鳥の死を重ね合わせながら
美しい物語が描かれる。

チヨチヨという鳴き声を漱石はこう表した。

 文鳥も淋しいから鳴くのではなかろうか。

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茂木彩海 16年5月29日放送

160424-05
Kristina Kuncevich
ペットのはなし 車椅子犬ウィリー

ペットとの出会いは皆様々だが、
テボラ・ターナーとウィリーの出会いは運命的だ。

チワワのウィリーがどのように生まれ、
育ったのかは誰にもわからない。ロサンゼルスの街なかに、背骨と、
声を出せないように声帯を傷つけられた状態で捨てられていた。

歩けない犬などいらないと、保護シェルターで
見向きもされなかったウィリーだったが、
ペットショップを経営していたテボラに引き取られることになる。

そこでウィリーが手に入れたものは、動物用の車椅子。
念願の足を手に入れた瞬間の様子を、テボラはこう振り返る。

 ウィリーはベルトを締めるや否や、
 まるで飛行機のように飛び出し、走り出しました。
 その瞬間、ウィリーは世界一幸せな犬だったのです。

22歳で天国へ旅立ったウィリー。
飼う、飼われるという関係を超えた幸せな絆が、ここにはある。

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茂木彩海 16年5月29日放送

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ペットのはなし シュルツのペット、スヌーピー

世界の中でも特に有名なペットとして知られている、スヌーピー。

チャーリーブラウンとの絶妙なやりとりで
心和ませてくれるこの犬のモデルは
作者であるチャールズ・シュルツが13歳の時に飼った雑種犬の「スパイク」。

シュルツ曰く、
人間の言葉を理解しているとしか思えないような行動をとる変な犬で、
この犬を描いた絵が新聞に掲載され、その後スヌーピーとなった。

漫画が売れて、有名になってからも派手な生活には一切
興味がなかったようで、仕事が終わり家に帰ると、
犬をかわいがるのが日課だったという。

そんなシュルツが遺した格言が、こちら。

 「幸せ」とは、あったかい子犬のこと。

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熊埜御堂由香 16年5月29日放送

160424-07
strollers
ペットのはなし 古川日出男とカラス

独創的な文体とストーリーテリングで人気の作家、古川日出男。
彼の小説にはよく動物たちが登場する。
その中でもひときわ異彩を放つのが
ひとの言葉を理解する、カラスのクロイだ。
主人公の肩にのり東京の飼いならされたカラスを
鋭い目で見つめる。

古川自身が、東京の街を歩き回り、
カラスの排除問題に疑問をもったことから
インスピレーションを得た。

人間の出すゴミに群がるカラス。そしてそれを排除する人間。
カラスは、東京という街に飼われている
もっとも悲しいペットとも言えるのかもしれない。

古川は小説を書く時の気持ちをこう表現している。

 人に読ませよう、
 でもあらゆる動物たちのためにも書こうと思いますね。

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薄景子 16年5月29日放送

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aes256
ペットのはなし 村松友視の愛猫アブサン

作家、村松友視には、
人生の伴侶ともいえる愛猫がいた。
その名は「アブサン」。
彼の直木賞受賞作『時代屋の女房』にも登場する猫だ。

知人が拾った野良猫を、村松が連れて帰り、
以来、アブサンは21歳で大往生をとげるまで、
村松夫妻とともに暮らした。

忙しい作家にとってアブサンは
自然体の生き方の師匠だった。
アブサン物語にはこんな一説がある。

 たとえば、廊下の陽の光が当るところで昼寝をしているアブサンは、
 陽の光が移るにしたがって少しずつ軀(からだ)をずらしている。
 つまり、陽の当っているところへと移動しながら眠っているのだが、
 これなんかもアブサンの手品のひとつに入れたい世界だ。

そんな愛猫の寝顔から、村松はこんな忠告を感じたという。

 あくせくした物書きなんて限界あるよ。

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