蛭田瑞穂 12年11月10日放送


Clod79
映画音楽のマエストロ⑦エンニオ・モリコーネ

イタリアの映画監督セルジオ・レオーネは
生涯に渡ってアメリカへの憧れをもち続けた。

出世作『荒野の用心棒』は、
アメリカの西部劇をイタリアで製作した、
いわゆるマカロニ・ウェスタン。

この映画の音楽を始め、
レオーネ作品の多くの音楽を手がけたのが
小学校時代からの親友である、
作曲家のエンニオ・モリコーネ。

厚い信頼関係によって結ばれていたレオーネとモリコーネは
先にモリコーネがつくった曲に合わせて、
映画のシーンを構想することもあったという。

セルジオ・レオーネが生涯の最後に
アメリカに捧げたオマージュ、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の
音楽ももちろんエンニオ・モリコーネが担当した。

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薄 景子 12年11月04日放送


Astronomr
空のはなし ライムライトの空

チャップリンの自伝的映画、「ライムライト」。
本人演ずる老いたコメディアンと
若き美しいバレリーナの愛を描く。

足を麻痺させ、生きる希望を失ったバレリーナに、
彼は力をこめてこう励ます。

 宇宙にある力が、地球を動かし、木を育てる。
 君の中にある力と同じだ。その力を使う勇気と意志を持つんだ。

それは、チャップリンが自身に言い聞かせた言葉。

空を見上げ、広大な宇宙を想像すれば、
どんな困難も、きっと喜劇に変えられる。

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茂木彩海 12年11月04日放送


Wasfi Akab
空のはなし 福島の空

今年の夏に行われた福島ビエンナーレ。
震災復興祈念事業として行われたこの芸術の祭典のテーマは、「SOLA」。

世界から集まった芸術家の中には、
オノ・ヨーコの名前もあった。
彼女は呼びかけた。

 布などに空の絵を描いて
 全部の空をつなげて
 ひとつの大きな空にしましょう。

 それは、育ち続けます。
 それは、広がり続けて
 高みに届くでしょう。

 空は遥か遠くにあるのではありません。
 空は私たちのところに降りてくるのです。

彼女が書いた「福島のための空の曲」。
それは空ほどの大きなものだって
手に届かないものなどないと、教えてくれた。

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石橋涼子 12年11月04日放送


gorgeoux
空のはなし エリノア・ホロウィッツの空

紫やオレンジが混じり合った夕暮れの空を見つけて
怖いけれどワクワクするような
不思議な気分になったことはないだろうか。

アメリカの作家エリノア・ホロウィッツは
そんな空の下に現れる世界を絵本にした。
物語は、こう始まる。

 ビムロスって知ってる?
 きれいなもやみたいな雲のこと
 ビムロスの夜は 空がレースにみえる
 そんな空見たことある?

ビムロスの夜は、
女の子が大好きなナイショの約束ごとで満ちている。

ビムロスの夜は
うさぎとおしゃべりをしちゃいけないし、
かわうそにうたを教えなくちゃいけない。
パイナップルソースをかけてスパゲッティを食べなくちゃいけないし、
オレンジ色のほかは着ちゃいけない。もちろんパンティも。

ビムロスの夜は、
ヘンテコなルールを楽しめる子どもたちのための時間だ。

さて、大人になったあなたは、
レースみたいな空を見つけることができるだろうか。

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石橋涼子 12年11月04日放送



空のはなし ボードレールの空

詩人ボードレールは、「旅への誘い」という詩で
夕焼け空の色をこう表現している。

 D’hyacinthe et d’or
 ヒヤシンス色と金色と。

翻訳によっては赤紫やあかね色と訳されている
ヒヤシンス色の夕焼け空、
あなたはどんな色を思い浮かべますか?

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熊埜御堂由香 12年11月04日放送



空のはなし 横尾忠則 天空からの視線

生まれてすぐに養子になり、
50代の両親にひとり息子として
大切に育てられてきた。
自分がいかなる星のもとに生を受けたのか
少年はよく空想した。

アーティスト、横尾忠則。
イラストレーター、グラフィックデザイナー、小説家など
自分から湧き出る表現の限りをつくしてきた。

70年代のはじめに
横尾は超常現象に深く興味をもつようになる。
UFOが見たい、そう心に決めて以来
何年もただひたすら空を見上げていた。
あるとき、やっとUFOが見えた。
見えだしたら、もうやたらと
見えるようになった。
友人が、僕もUFOを、探しているけど見えないな
とからかうと、横尾は真面目にこう返した。
1年や、2年じゃ話にならないよ、と。
祈りをこめたのか、無心なのか、とにかく横尾は空を見上げた。
この徹底的な繰り返しはのちに横尾の芸術スタイルにもなった。

そして現在76歳。
横尾忠則はこう言う

 ぼくは常に星からの視線を感じながら生きている。
 あの宇宙から出発してあそこへ還るのだなぁという実感である。

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小野麻利江 12年11月04日放送


yoppy
空のはなし メキシコの青い空

10月26日。
サッカーワールドカップメキシコ大会
アジア最終予選 「日本対韓国」の初戦。

このタイトルマッチに日本が勝てば、
長年の悲願、ワールドカップ出場が決まる。
その期待感を、
アナウンサーの山本浩はこう実況した。

東京千駄ヶ谷の国立競技場の曇り空の向こうに、
メキシコの青い空が近づいてきているような気がします。

夢は惜しくも潰えたが、
この一戦が、日本サッカー界の発展に
大きな影響を与えた。

ヒトは空に希望を見る。
その希望が、エネルギーになる。

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茂木彩海 12年11月04日放送



空のはなし オウムの空

空を飛ぶ鳥を見ると、つい思い出す。
ライト兄弟の兄、ウィルバー・ライトの言葉。

 言葉をしゃべる鳥はオウムしか知らない。
 オウムはあまり高く飛べない。


言葉を忘れて、頭をからっぽにして、ただ風に身を任せてみる。
そんな時、わたしたちはいちばん空に近いのかもしれない。

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薄景子 12年11月04日放送


Bill Liao
空のはなし B-Pの空

ボーイスカウト・ガールスカウトの生みの父、
ロバート・ベーデン-ポウエル男爵。

イギリスの英雄として称えられた彼も、
少年少女にとっては野外の英雄。
空の下では、名前の頭文字をとって
B-P(ビーピー)と呼び親しまれた。

彼は子どもたちを夢中にさせる
冒険やひみつを次々と生み出し
楽しみながら生きる力を育てるスカウト活動を広めていく。

世界中が第二次世界大戦にむけてひた走った暗雲の時代も、
B-Pは、他人を幸福にしなければ人は幸福になれないことを
子どもたちに伝えつづけた。

そんなB-Pが残した言葉。

 真っ黒な雲を見ても、
 その後ろに明るい空のあることを
 忘れないようにしよう。

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佐藤延夫 12年11月03日放送



ムーミン谷の住人たち1

ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンは、
フィンランドの首都、ヘルシンキで生まれた。

父親は彫刻家、母親は画家という芸術一家。
小さいころから、ひとりで絵を描いては、
それにお話をつけて遊んでいたという。

ある日、弟とケンカし、トイレの壁紙に落書きをした。
タイトルは、「ものすごくみっともない小さな怒った顔」。

それがムーミントロールのルーツだと言われている。

昔、誰の心の中にも住んでいた小さな妖精の姿を、
彼女は忘れなかった。

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