2017 年 1 月 29 日 のアーカイブ

熊埜御堂由香 17年1月29日放送

170129-01

宇宙のはなし 宇宙との距離

アメリカの政治学者、ダニエル・デュードニーは言った。
宇宙は世界中の人から、たった80マイルだ。
多くの人にとって、首都より近い。

イギリスの天文学者、フレッド・ホイル
も言った。

もし、あなたの車が真上に走れるなら、
1時間のドライブで宇宙へ行けるよ

そういわれると、夜空の星に手をさしのべて
捕まえてみたくなりませんか?

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熊埜御堂由香 17年1月29日放送

170129-02

宇宙のはなし ジム・ラヴェル

実はアメリカでは宇宙飛行士は
離婚率が高いという説がある。
宇宙という過酷で特殊な場所が、
恋人たちを離ればなれにするのだ。

そんな中、アポロ13号の船長、ジム・ラヴェルは
幼馴染みのマリリンと一生を添い遂げた、
おしどり夫婦としても知られている。
月面着陸の夢は叶わなかったが、地球上での幸せは叶えたのだ。

そんな彼が残した言葉がある。

 月で親指を立てると、親指の裏に地球が隠れる。
 我々はなんと小さな存在だろう。だがなんと幸せだろう。

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茂木彩海 17年1月29日放送

170129-03
Mugu-shisai
宇宙のはなし 三島由紀夫の解釈

三島文学としては異例の
宇宙人やUFOが登場する小説、「美しい星」。

物語の主役は、埼玉県に暮らす四人家族。
地球で暮らしながら自分たちは宇宙人である
という自覚を持っていて、
人類滅亡の危機を救うべく奮闘する姿が描かれる。

 この小説を書く数年前、私は「空飛ぶ円盤」に熱中してゐた。
 しかし、どんなに努力しても、円盤は現はれない。
 そこで私は、「空飛ぶ円盤」とは、一個の芸術上の観念に
 ちがひないと信じるやうになつたのである。

宇宙にあこがれながらも、一方で
「空飛ぶ円盤」は観念であり、芸術なのだと説く三島の解釈に
なんとなく納得してしまうのは
宇宙をテーマにした芸術作品がこの地球に星の数ほど存在するから。

これからも、私たちは夜空を見上げ、宇宙を想い、
またあたらしい作品を生み出していくのだろう。

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茂木彩海 17年1月29日放送

170129-04

宇宙のはなし 野口聡一の言葉

アジアを代表する宇宙飛行士、野口聡一。
宇宙での経験談としてこんな感想を述べている。

 最初に驚くのは、動くものは止まって見えて、
 止まっているものは動くことかな。
 謎かけみたいですけど、この二つは大きいと思います。

時には凝り固まった常識を捨て、違う目で物事を見る。
宇宙にだって、大切にしたい教訓は溢れている。

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薄景子 17年1月29日放送

170129-05

宇宙のはなし 木村資生の言葉

生物学における世界最高レベルの賞、ダーウィン・メダル。
その権威ある賞を日本で唯一受賞している遺伝学者が、
木村資生(もとお)だ。

彼が提唱する哲学の名は、
「サバイバル・オブ・ザ・ラッキエスト」。
環境に適応したものが生き残って進化するという、
ダーウィンの適者生存の理論に対し、
運のいいものが生き残るという
生物進化の新しい原理を唱えた。

木村は言う。

 生き物が生まれる確率というのは
 一億円の宝くじに
 百万回連続で当たったのと同じくらい
 すごいことだ。

私たち人間は、ひとりひとり
この宇宙に奇跡的な確率で生まれてきたのだ。
その奇跡に感謝できる時、きっと
きょう見える世界が星空のように輝いてくる。

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小野麻利江 17年1月29日放送

170129-06

宇宙のはなし ウイリアム・アンダース

人類史上はじめて
月の周回軌道上を有人飛行した、アポロ8号。

ミッションの途中、クルーたちは
月の地平線上を、青く美しい地球が昇る様子を
目の当たりにした。

「日の出」ならぬ「地球の出」。
その様子を撮影した宇宙飛行士、
ウィリアム・アンダースは、こんな言葉を残している。

 我々は月を探索するためにここまでやってきた。
 しかし、最も重要な発見は地球そのものだった。

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石橋涼子 17年1月29日放送

170129-07

宇宙のはなし スルタン・ビン・サルマン

あまりにも近くにあると、
その存在の大切さに気づかないことが多い。

なんて言うと、恋愛の格言や仕事の秘訣みたいだけれど、
距離があるからこそ見える価値というものはある。
たとえば宇宙スケールの距離で。

1985年に、スペースシャトル・ディスカバリー号に乗った
サウジアラビア初の宇宙飛行士、
スルタン・ビン・サルマンはこんな言葉を残した。

 最初の一日か二日は、みんなが自分の国を指さした。
 三日目、四日目は、それぞれ自分の大陸を指さした。
 五日目、私たちの目にうつっているのは
 たったひとつの地球しかないことがわかった。

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石橋涼子 17年1月29日放送

170129-08

宇宙のはなし バズ・オルドリン

宇宙飛行士バズ・オルドリンの名を
知っている人は、あまり多くないかもしれない。
人類史上初めて月面に降り立ったアームストロング船長に続いて、
二番目に足跡を残した人物だ。

と言ってもやっぱり記憶に残りにくいだろうか。
では、もうひとつ。
バズ・オルドリンは、一本のボールペンで
月面からの帰還を成功させた人物、でもある。

どういうことかというと、
月着陸船イーグルの離陸スイッチが
アポロ11号に戻る前に壊れてしまったのだった。
オルドリンがとっさの機転で、
ボールペンを機械にさして代用しなかったら。
ほら、ちょっと忘れられない人物でしょう。

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