蛭田瑞穂 13年7月13日放送



ワールドカップ第1回大会⑦

第1回FIFAワールドカップが開かれた当時、
開催国のウルグアイはヨーロッパから見て
あまりに遠い辺境の国だった。

FIFAから招待を受けたヨーロッパの国で、
参加したのはわずか4カ国。

決勝戦の結果をイタリアの日刊紙
「ラ・ガゼッタ・デッロ・スポルト」は
わずか20行のコラムで伝えたのみだった。

しかし、そんなヨーロッパの無関心をよそに、
スタジアムの中では世界最高のサッカーが
繰り広げられていた。

過去2回のオリンピックも連破したウルグアイが
鮮やかな逆転劇の末にアルゼンチンを下し、
キャプテンのホセ・ナサシは最初の
優勝トロフィーを高々と掲げた。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」今宵の天気は

今日は、7月7日、七夕さま。
七夕の夜に雨が降ると、
おり姫様とひこ星様が
会えなくなってしまう。
夜空を見上げて、晴れますようにと
願ったことはないですか?

地方によっては、
短冊が流れるぐらい雨が降るのが良い、
ともいいます。
農作物には、恵みの雨。
七夕雨(たなばたあめ)という季語がある。

今夜、あなたの空は、
七夕晴れですか?
七夕雨ですか?

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」きんぎんすなご

 ささのは さらさら のきばに ゆれて

童謡「たなばたさま」。
作詞は、童謡詩人の権藤はなよ。
野口雨情に師事。

昭和16年に発表されたこの歌には、
のきば、きんぎんすなご、ごしき、
いま聞くと、ちょっと何のことだかわからない
言葉がある。

のきばは、軒の端。
笹飾りが屋根に届きそうな様子が目に浮かぶ。
きんぎんすなごは、金箔銀箔を粉にしたもの。
夜空にちりばめられた星の瞬き。
ごしきは、五色。

わからないけれど、リズムがある。おぼえてしまう。
幼い子が、おしゃべりした言葉そのままが、
メロディにのっているよう。

作者・権藤はなよの兄は、アララギ派の歌人、
その影響だろうか。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」ななつのゆう

村を離れた神聖な水辺に、
棚をつくり出し、降臨する神のために、衣を織る神女。
棚機津女(たなばたつめ)。
これは、日本の祭儀。

中国では、6世紀中頃の民間風俗を記した文献に
「7月7日は、牽牛(けんぎゅう)・織女(しょくじょ)、
 聚会(しゅうえ)の夜と為す」とある。
牽牛は、農耕の神への生け贄とも考えられている。
織女は、儀式として機織りを行う聖女。

中国のこの風習が日本に渡って、
七夕になったという。

では「ななつのゆう」と書いて、
七夕(たなばた)になったのは、なぜ。
もともと、七夕は宮中の五節句のひとつで
「しちせき」と呼ばれていた。

同じ時期に行われていた3つの儀式が
ひとつになって、七夕になった。
ずっとずっと昔のグローバリゼーション。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」万葉集

七夕の風習は、奈良時代には、
すでに日本に伝わっていた。
万葉集にも、七夕を詠んだ歌が
いくつかある。

 ひさかたの 天の川瀬に船浮けて 
 今夜か君が 我許(わがり)来まさむ

 一年(ひととせ)に 七日(なぬか)の夜(よ)のみ逢ふ人の
 恋も過ぎねば 夜は更けゆくも

不自由な恋への
憧れと切なさ。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」夏の大三角

きょうは、七夕。
中国で7月7日に牽牛と織女が会う日とされていたのは、
天の川をはさんで、ひときわ輝く二つの星があることが
広く知られていたからだという。

日本で、おり姫、ひこ星と呼ばれる星の名は、
こと座の一等星・ベガと、わし座の一等星・アルタイル。
この二つの星は、伝説と違って、実際には移動したりしない。
江戸時代には、たらいに水を張って二つの星を映し、
水面を揺らして星たちが出会うようにする行事があった

ベガとアルタイルの間は、14.4光年ほど離れている。
光の速さで天の川を渡っていっても、
14年半もかかることになる。
一年に一度会うのは、現実では不可能だ。

今夜、あなたの空が晴れていれば、
ちょうど今頃、午後9時前後に
東の空を見上げてほしい。

ベガとアルタイルが輝いていることでしょう。
この2つの星に白鳥座のデネブを加えると夏の大三角となる。
探してみてください。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」七姫

織り姫のもととなった棚機津女(たなばたつめ)。
他にも七種類の呼ばれ方をする

 秋去り姫、薫物姫(たきものひめ)、ささがに姫、
 百子姫(ももこひめ)、糸織り姫、朝顔姫、梶の葉姫

それぞれ、神に捧げる衣を織る神事から派生している。
いずれも、かなえたい願いを持つ姫の名。
おり姫は、ただ、ひこ星を待つだけの存在ではなく、
神へ願いを届ける、重要な役割を持っていた。

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大友美有紀 13年7月7日放送


herbraab
「七夕」フィンランド

七夕伝説は世界各国で語り継がれている。
アジアの地域では、天の川は渡るに渡れない川。
フィンランドの伝説は、少し違う。

仲むつまじい夫婦がいた。
いつも一緒だった。
死んだ後は、一緒というわけにはいかない。
別々の天にのぼり、星となった。
二人は、空にただよう星屑を集めて、
星の間に光の橋を作ろうと決めた。
毎日懸命にすくっては、集め、すくっては集め、
そして千年ののち、見事な光り輝く橋ができあがった。天の川だ。
二人は光の橋をわたり、シリウス星のところで、
再び出会うことができた。

天の川は隔てるものではなく、
出会うためのものだった。

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大友美有紀 13年7月7日放送



「七夕」今宵の天気は

今日は、7月7日、七夕さま。
七夕の夜に雨が降ると、
おり姫様とひこ星様が
会えなくなってしまう。
夜空を見上げて、晴れますようにと
願ったことはないですか?

地方によっては、
短冊が流れるぐらい雨が降るのが良い、
ともいいます。
農作物には、恵みの雨。
七夕雨(たなばたあめ)という季語がある。

今夜、あなたの空は、
七夕晴れですか?
七夕雨ですか?

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佐藤延夫 13年7月6日放送


The Gouger
俵万智さんの記念日1

歌人、俵万智さんの代表的な一首、サラダ記念日。
歌の中に登場する七月六日という日付には、
ちゃんと理由があるそうだ。

元旦やクリスマスなど、特別な日ではないこと。
初夏という季節が、サラダに合いそうなこと。
「サラダ」と「しちがつ」、サ行が並ぶ語感の気持ち良さ。
あとは七夕の前の日ということ。

それは、特別な日ではないけれど、ちょっとだけ特別な一日。

 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

今夜のメニューに、どうかサラダをお忘れなく。

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